最近「インハンスアライナー」という新たな矯正治療方法が話題になっています。インハンスアライナーとは、どんな治療方法であるのか、ご紹介します。
●インハンスアライナーとは?
インハウスアライナーは、海外のメーカーへ外注せずに、歯科医院内(インハウス)で設計と製作をしたマウスピース装置のことです。院内で設置された口腔内スキャナーや3Dプリンター、専用ソフトを使用して、歯科医師や院内スタッフが直接マウスピース型矯正装置を設計と製作に携わります。外注せずに院内で完結するため、よりはやくマウスピース矯正を始められる治療法であり、近年話題に上がるようになりました。インハウスアライナーは、院内の3Dプリンターで光重合レジン(液体プラスチックに光をあてて固める素材)などを用いて模型や装置を製作します。
●インハウスアライナーの特徴
①治療開始までの期間が短いことです。工場への発送・輸送工程がなくなるため、型取りから装置の完成そして治療開始までの時間を大幅に短縮できます。
②費用を抑えやすい点があります。外部への発注コストがかからないため、一般的な全体矯正装置に比べて低価格に設定されていることが多いです。
③柔軟な軌道修正ができます。治療計画のなかで、一度に全量を作製せず、治療計画の途中のステップで歯の動きを確認し、追加製作するため、シミュレーションの動きと実際の歯の動きのギャップや顎の位置の変化に対応しやすいのが特徴です。
④素材・機能の進化。医院によってマウスピースの素材は異なりますが、近年では形状記憶機能を持った特殊な樹脂素材を使用し、痛みの軽減や効率的な歯の移動を狙う医院も増えています。
●インハンスアライナーの注意点
①マウスピース矯正がメインであるため適応症例が限られます。主に軽度〜中等度の前歯のがたつき(叢生)や、部分的な歯並びの修正に向いています。抜歯を伴うような大きく歯を動かす複雑な症例には対応できない場合があります。
② 医院の技術力に左右されます。外注先のメーカーのAIによる一括自動シミュレーション頼みではなく、設計者の技量や診断力が治療結果に直結します。そのため医院選びは慎重に行いましょう。
③材料によるアレルギー反応のリスク。製作の過程でプラスチックが完全に固まりきっていない場合、「未重合レジン(残留モノマー)」がわずかに残ることがあります。 これが唾液に溶け出すと、まれにアレルギー反応を引き起こし、唇の腫れ、口内炎、お口の中の湿疹、かゆみ、皮膚の蕁麻疹などを発症するリスクがあります。
※インビザラインのような大手の外注メーカーは、厳格に規格化された工場で医療用プラスチックを用いて模型にプレスをして製造するため、未重合レジンのリスクは極めて低いといわれています。
当院で行うマウスピース矯正は、医院内で完結するインハウスアライナーではなく、外注をし様々な意見をとりいれながら治療を進める方法です。
矯正治療の方法の選択肢としては、主に
①歯の表側に装置をつけるワイヤー矯正(ラビアル矯正)
②歯の裏側に装置をつけるワイヤー矯正(リンガル矯正)
③マウスピース矯正
の3つがありますが、それぞれに利点欠点があり、適切な診査・診断、治療計画の立案が非常に重要です。
当院では、患者様それぞれの症状やライフスタイルに適した治療方法が選択できるよう、慎重かつ的確な診断を行っております。
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