ガミースマイルとは、笑った時に通常よりも口元から歯茎が多く見えている状態を指します。具体的には、歯茎が3ミリ以上見える場合のことをいいます。
歯肉や歯茎は英語で「gum(ガム)」といい、形容詞「gummy(ガミー)」から、歯茎の見える顔のことを「gummy face(ガミーフェイス)」といいます。また、笑ったときに歯茎が見える笑顔を「gummy smile(ガミースマイル)」といいます。
笑顔になるときは、口角を上げる筋肉・上唇を上げる筋肉・唇を閉じる筋肉が働きます。
この際に上唇を持ち上げる筋肉が過緊張し、更に唇を閉じる筋肉が弱いと、バランスが上手く保たれず、歯茎が多く見えすぎるガミースマイルになります。
このような状態を改善するため、バランスよく上唇をコントロールできるよう、表情筋や口輪筋トレーニングや練習が必要です。
今回は、ガミースマイルを治すトレーニング方法を紹介します。
あいうえお体操(あいうべ体操)
今井一彰先生 考案
「あ~」「い~」「う~」「べ~」と口を動かすだけの簡単な体操です。これを行うことで舌の筋肉が鍛えられ口呼吸の改善や、舌癖の改善につながります。また血行が促進されたり、フェイスラインの弛みの改善ができる効果もあります。大きく口を動かし、ゆっくりと行うのがポイントです。声は出さず口を動かすだけでも問題ありません。
●あいうべ体操「あ」
「あ~」と口を大きく開け、1秒キープします。
●あいうべ体操「い」
「い~」と思い切り横に口を広げます。1秒キープします。
●あいうべ体操「う」
「う~」と唇をとがらせて、大きく前に突き出し、1秒キープします。
●あいうべ体操「べ」
「べ~」と舌を出します。
前に出すのではなく、顎先に向かって伸ばすような感じで行いましょう。1秒キープします。
「あ~」「い~」「う~」「べ~」と、それぞれ1秒ずつキープして行い、これを10回繰り返してください。10回を1セットとし、1日に3セット行うと効果的です。行うタイミングはテレビのCM中、入浴中、就寝前など隙間時間を利用すると取り入れやすいかと思います。
ただし、顎関節症など痛みのある方はできる範囲で行いましょう。
顎関節症の方や口を開けると痛みがあるという方は、顎関節に負担をかけない「い」と「う」の工程のみを繰り返すなど、無理せず可能な範囲で行ってください。
割り箸トレーニング
割り箸を加えて負荷をかけ、口角をあげるトレーニングです。
まず、割り箸を横にして、左右の長さができるだけ均等になるようにくわえてください。その状態で、口角が割り箸より上になるように、鏡をみながら口角と頬をグーッと引き上げて笑顔をつくり、10秒間キープしましょう。その後、表情を元に戻してください。これを何度か繰り返していきましょう。
初めはぎこちない口角の上がりかただったりと違和感を感じるかと思いますが、日頃からトレーニングをすることで、日常的に素敵な笑顔で過ごせるようなります。
また、笑顔で過ごすことによって自然と気持ちも明るくなります。
舌エクササイズ、口輪筋トレーニング
あいうべ体操と同じく舌を鍛えたり、お口回りの筋肉を鍛えるトレーニングです。こちらも口呼吸の改善や、舌癖の改善、血行の促進、フェイスラインの弛みの改善といった効果が期待できます。
まずは、唇を閉じてください。
そのあと内側から舌で唇周りをゆっくりと円を描くように回してください。速く回してしまうと負荷がかからずに効果がでないので、10秒くらいかけて1周してください。これを左右で5周ずつ、1日が2セット以上を行うようにしてください。
これを行うことで、舌の筋力がつくことはもちろん、口輪筋も鍛えられ唇周りにハリを保つことができます。
ガミースマイルをそのままにすると、見た目の問題だけではなく、口腔乾燥や、虫歯、歯周病、口臭などのリスクを高める可能性があります。
お悩みの方は専門家または吉祥寺矯正歯科クリニックへの相談をおすすめします。