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子供のガミースマイルについて

2025.09.01

矯正コラム

皆様は笑ったときに歯茎が見えて気になったことはありますか?笑った時に見える歯茎が3mm以上になる場合を「ガミースマイル」といいます。歯茎が目立つことを気にしてしまい、笑顔に自信が持てず悩んだ末に相談にくる患者様もいらっしゃいます。
患者様の多くが成人の方ですが、ガミースマイルに悩むお子様の患者様もいます。今回は小児のガミースマイルについてお話しします。

 

○ガミースマイルは遺伝する?

ガミースマイルが遺伝する可能性はあります。しかし、指しゃぶりや舌癖といった生活習慣からなる後天的なものが原因となる場合もあります。その場合は骨格や筋肉の成長・発達が著しい子供の時期から、口周りの癖を直したり、正しい舌の位置を意識するなどしてガミースマイルを予防することが大切です。

 

○ガミースマイルは自然治癒するか?

ガミースマイルは目立ちにくくなることはあっても、自然治癒は難しいです。
ガミースマイルを引き起こす原因としては

①歯の長さと萌出位置

②上唇の筋肉の著しい発達

③骨格の問題

などがあげられます。
ガミースマイルを治すためには歯の位置や大きさ・骨格を整える処置が必要です。
また口腔習癖がある場合は、MFT(筋機能療法)も平行して治療をすすめていきます。

 

○治療法別に治療開始のタイミング

小児期は骨格や筋肉の成長途中であるため、成長期を終えた大人と比べて矯正治療効果が比較的スムーズです。ただし小児期においても治療法によって、理想とする結果まで到達しないこともあります。このことからガミースマイルの治療は治療開始時期が重要です。成人期における外科治療リスクの軽減のためにも、治療法別に効果が出やすい治療開始時期をお伝えします。

ヘッドギア矯正

上顎の骨の成長を抑える効果があります。6歳臼歯が萌出する小学校入学前後から始めることが多いです。奥歯に金属のバンドを装着し、そのバンドにフェイスボウと呼ばれる装置をご自身で装着します。フェイスボウと頭にかぶるヘッドキャップをつなぎ、首や頭部にかけることで歯並び全体を後ろ側に動かします。就寝中やご自宅にいるときに使用するようにお伝えしています。

MFT(筋機能療法)

なるべく早い時期から始めると効果的です。口周りの筋肉のトレーニングを行います。特に「上唇の筋肉が過剰に発達している」場合では早めに習慣づけることが重要になります。基本的に特別な装置は必要はありません。使用するとしてもマウスピースのような装置くらいになります。小さなお子様でも使用できるため、どの年齢からでも始めやすいです。ただ、複数のトレーニングが必要になるため、個人によってはトレーニングを難しく感じてしまうこともあります。そのため、複数のトレーニングを理解して行うことのできる6~7歳頃が治療開始時期の1つの基準となります。

歯列矯正

歯の位置を整えることによって永久歯の生えかわりもスムーズに促していく治療方法です。乳歯から永久歯にはえかわり始める7~9歳頃から始めると効果的な治療です。

小児期は筋肉も骨も発達の途中であり、成人よりも顎骨や口周りの筋肉が柔軟です。そのため、歯列矯正治療を始めるには子供の時期がよいといえます。最近の傾向では顎の小さい子供が増えてきています。顎が小さいと永久歯への生え換わりが上手くいかず、歯と歯が重なったり(叢生)、埋まったまま生えてこなかったり(萌出異常)、歯が傾いたり(傾斜)してしまい、歯並びが悪くなることがあります。

子供の時期は顎の成長を利用しながら、永久歯の歯並びや咬み合わせを整える治療が可能です。ガミースマイルの場合は上顎の骨格が大きく発達することが原因の場合もあるので、そのようなケースでも小児期の顎の成長を抑えることで改善する治療もあります。

また小児期の口周りの癖(指しゃぶり・口呼吸・舌で前歯を押す癖など)は歯並び・咬み合わせ・発音・咀嚼や嚥下機能にも悪影響を与えてしまう場合があります。これらの癖を小児期のうちに改善することは、健康的な口腔内の発達の促進につながります。

成人後も矯正治療は可能です。しかしながら骨格の成長が終了している場合が多いため、骨格成長を利用した矯正治療を行うことが難しくなります。その場合は抜歯矯正により歯を動かすスペースをつくったり、骨格に問題がある場合は外科治療を伴う矯正治療が必要になることがあります。成人における大がかりな外科処置をできるかぎり回避するために、小児期から歯並びや咬み合わせに問題がある場合は、小児期に歯列矯正治療を始めていただくとことがおすすめです。

子供は歯の生えかわりにより、ガミースマイルが目立たなくなってくるケースもあります。しかし、可能性として低いのが現状です。当院では、幼少期からでも始められるお口周りの骨や筋肉の正常な発達を促せるように、専門的なトレーニングも行っております。

子供の矯正治療は体の成長に合わせて始めると効果がでやすいため、治療を始める時期が非常に大切になります。

もしもお子様のお口のことで気になることがありましたら早めにご相談ください。

 

 

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鈴木美穂

この記事を書いた人

吉祥寺矯正歯科クリニック 院長

鈴木 美穂

日本歯科大学 生命歯学部卒業。日本歯科大学附属病院 歯科医師臨床研修においてポートフォリオ賞を受賞。
日本歯科大学矯正歯科 勤務後、広瀬矯正歯科に副院長(最終役職)として勤務。2021年より矯正歯科治療専門の吉祥寺矯正歯科クリニックを開業。
日本矯正歯科学会 認定医 取得。日本大学大学院 歯学研究科 博士課程 修了 博士(歯学)。

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