ガミースマイル
(ガミーフェイス)
Gummy Smile
01 ガミースマイルについて
「ガミースマイル」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
一般的に「ガミースマイル」というのは、笑った時に上顎の歯茎部分が多く見える口元のことを指して言います。
ガミーフェイスと表現されることもあります。
原因の多くはもともとの骨格や歯にあり、歯茎が見える程度が大きい方の中には笑顔になるのを気にする方もいらっしゃいます。
ガミースマイルはひとつの「個性」として考えることもできますし、
「これくらい出ていたらガミースマイル」と決めつけることもできません。
けれども、口元のせいで心の底から笑うことができない、どうしても口元を直したい、 そうした希望を持った方には、
矯正治療によって「ガミースマイル」を改善することができます。
ガミースマイルとは?
図のように笑った際に上の歯の歯茎が大きく見えすぎてしまうことを言います。 芸能人にもガミースマイルの方は多く、必ずしも直さなければいけない、といったものではありませんし、チャーミングな特徴として捉えることもできます。
ただし、ガミースマイルは骨格や歯並びが原因になっていることも多く、ガミースマイルの方は噛み合わせ等その他の問題を抱えている場合もあります。
一般的に、笑った時などに歯茎が3mm以上見えている状態はガミースマイルとみなされます。
普段はまったく見えていないのに、笑うと歯茎が必要以上に見えすぎてしまうことで、思いっきり笑うことに抵抗を持ってしまう人も少なくありません。
笑った瞬間に手で口元を隠す癖がついてしまったり、大きく見える歯茎がコンプレックスの原因となってしまうこともあります。
口腔内も乾燥しやすくなり歯肉炎を増悪させたり口臭の原因にもなることがあります。
02 ガミースマイルの原因
ガミースマイルの原因は大きく分けて3つあります。
01 上顎の発達が過剰である
アジア人の骨格は、口元の骨が出っ張り、それに伴い歯茎も長くなる傾向があります。歯茎の骨に該当する上顎の骨が発達していたり、前方に出っ張っていたり、骨自体が縦に長いことが原因となり、ガミースマイルにつながります。
骨格や歯並びは、遺伝的要素が強く、ご家族にガミースマイルの方がいる場合には、骨格・歯並びが原因となっている可能性が高いです。
02 歯の長さが短い・歯が生えている位置が低い
人によっては、歯の長さが短かったり、歯の生えている位置が低かったりする場合があります。歯の長さが短いと、相対的に歯茎の面積が大きくなり目立ちやすくなりガミースマイルの状態になります。
また、低い位置から歯が生えている場合は、歯と歯茎の境目の位置も下がるため、歯茎が見える面積が増えてしまいます。
03 上唇を引き上げる力が強い
上唇を引き上げる筋力が強いために、骨格や歯に問題がなくても笑うと余計に上唇をあげてしまうことから歯茎が見えやすくなる場合も多くあります。
上唇の縦の幅が短く、薄い形状の唇である場合も、歯茎が上唇に隠れず、見えやすくなります。
03 ガミースマイルによる影響
見た目の問題と考えられやすいガミースマイルですが、口が閉じにくいなどの問題も生じます。
ガミースマイルが与える影響は大きく、口元の印象だけでなく、口腔環境にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
外見にコンプレックスを持ってしまう
ガミースマイルは、鏡を見る際や写真に写った自分を見たときに気付き、笑顔がコンプレックスになることがあります。笑う度に口元が周囲に見えないよう、手で隠してしまう方も多いようです。
むし歯や歯周病のリスク
審美的観点以外のリスクとして挙げられるのが、「むし歯」や「歯周病」です。特に上顎骨が前に出ている、いわいる「出っ歯」の状態でガミースマイルになっている方は、かみ合わせや歯並びにまで影響を及ぼしていることが多く、食べ物も挟まりやすくなります。その部分は歯ブラシが届きにくいため、歯垢が溜まりやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。
口臭の原因にもなる
歯の向きが前方に突出しているガミースマイルの場合、口が閉じにくくなります。そのため口呼吸になりやすく、口の中が乾燥して口臭の原因につながってしまう可能性が高いです。
04 ガミースマイルの治療
ガミースマイルは放っておくとさまざまなリスクを高める要因をつくり出す可能性があります。
このようなリスクが高いと診断された場合は、しっかりと治療することをおすすめします。
治療によって審美面だけでなく機能面や健康面での改善が得られます。
吉祥寺矯正歯科クリニックでは矯正治療により、ガミースマイルの治療を行っています。
以前は、上顎の骨を切り落とす手術をしたり、歯茎を削り落としたりして歯を長くみせる方法など、侵襲の大きい術式でしか治療ができませんでしたが、矯正の材料や技術の向上により低侵襲での治療が可能となりました。
(ボトックスの注射などで一時的に改善する方法もありますが、永遠に打ち続けることは科学的、医学的ではないため当院では行っておりません)
出っ歯や口ゴボの場合には、抜歯を行うことで上顎の歯列をある程度、下げることができ、ガミースマイルを改善することができます。
歯科矯正用アンカースクリューでの治療
歯科矯正用アンカースクリューを使用することで、上顎の歯列を大きく上に引き上げていく(圧下する)治療が可能になりました。
歯科矯正用アンカースクリューは、小さなチタン製のネジの形をしており、矯正治療中に歯槽骨へ設置し、ゴムやチェーンをかけることで矯正装置の固定源として利用します。
従来では外科手術が必要であった症状でもアンカースクリューと矯正装置の組み合わせで治療ができるようになりました。
ガミースマイルの治療でも、歯列を後ろへ下げたり、上へ持ち上げたりする治療に多用されます。
矯正治療後には撤去し、跡も残らないので心配はありません。
画像引用元 リンガル装置を用いて治療した過蓋咬合を伴うAngleⅡ級2類症例 鈴木美穂 他
歯科矯正用アンカースクリュー
参考文献:鈴木美穂 他「リンガル装置を用いて治療した過蓋咬合を伴うAngleⅡ級2類症例」2018年
参考文献:小林義樹, 遠藤敏哉「ガミースマイルに対するインプラントアンカーを用いた矯正治療」2010年10月
参考文献:清流正弘, 井田裕人, 佐々木周太郎, 出口徹, 山本照子「ガミースマイルを伴う上顎前突症例における歯科矯正用アンカースクリューの有用性」2017年6月
05 ガミースマイルに関してよくあるご質問
他院でガミースマイルを相談したら、顎の手術をするか矯正単体だと表側に装置をつけたり、たくさんネジを打たないといけないといわれました。それだけしても数ミリしか変わらないと言われた。見た目の面から裏側矯正にしたいのですが、裏側矯正での治療ではガミースマイルは治せず諦めなければいけないのでしょうか?
従来のガミースマイル治療は上顎の手術や上下顎の手術ををしなければ治すことができないと考えられていましたが、歯科矯正用アンカースクリュー(インプラントアンカー)やフルオーダーメイドの裏側矯正治療などの技術の発達により、手術をせずに裏側(舌側)矯正治療のみで改善することができるようになりました。
※手術の有無は精密検査により診断いたします。
当院でのガミースマイルの治療は、表側の矯正装置ではなく、上下裏側矯正装置(フルリンガル矯正)、もしくは上顎が裏側の装置で下顎が表側の装置(ハーフリンガル矯正)での治療をご案内しております。
複数の歯科矯正用アンカースクリュー(インプラントアンカー)を埋入する表側矯正とは異なり、基本的に使用するアンカースクリューは上顎の口蓋中心部に1本のみです。
アンカースクリューと裏側矯正の装置を治療用のゴムで結びつけ、口蓋から歯茎、歯槽骨を引き上げることでガミースマイルを改善します。
裏側装置での矯正治療は周りの方から気づかれずに治療をすることができます。
また患者様へのご負担が少しでも軽減できるように、扱う矯正器具も低侵襲、シンプルかつ効果的な設計を考えております。
当院でのアンカースクリューの埋入は、常勤歯科医師である験豊富な口腔外科医が行います。
アンカースクリューは数mmほどの長さで少量の麻酔を使用して埋入いたします。出血や腫れはほとんどなく、お薬も処方しますのでご安心ください。
矯正治療は終了まで数年にわたるため、ご納得のいく治療法でスタートされることをおすすめいたします。
ガミースマイルを放置するとどうなりますか?
ガミースマイルの見た目を気にされている方は、人目を気にしてしまい人前で笑顔をつくりづらいことがあります。思わず口元を手で隠してしまう等、人とのコミュニケーションにおいてご不便な一面が生じる可能性があるかもしれません。また、そういった審美面だけではなく、ガミースマイルは健康的な歯並びの人と比べて口元が乾燥しやすい特徴があります。口腔内の乾燥により虫歯や歯周病、口臭のリスクが上がります。吉祥寺矯正歯科クリニックのハーフリンガル、フルリンガル矯正治療とインプラントアンカー(アンカースクリュー)を併用することで治せます。
ガミースマイルは手術が必要ですか?
重度のガミースマイル症例は、上顎の骨を切るといった外科的な手術が必要になる場合があります。
しかしガミースマイルであるからといって必ずしも手術が必要であるというわけではなく、歯科矯正のみで改善される症例もあります。特に技術の差がでるガミースマイルの治療は吉祥寺矯正歯科クリニックと言われ嬉しい限りです。
当院では、フルリンガル矯正(舌側矯正、裏側矯正)もしくはハーフリンガル矯正において、上顎の口蓋に歯科矯正用アンカースクリュー(インプラントアンカー、矯正用インプラント)と呼ばれる小さなネジを埋入し、そのアンカースクリューを固定源とした治療を行いガミースマイルを改善しております。
まずは精密検査を行い、本当に外科的な手術が必要かどうか診断することが重要です。
オペ回避、外科矯正回避と言えば吉祥寺矯正歯科クリニック。ご興味のある方はご相談ください。
ガミースマイルの治療で歯ぐきを切ることがあると聞きました。
歯並びや骨格に問題がなく、歯の大部分が歯茎で覆われていることが原因でガミースマイルとなっている症例に対し、歯を覆っている歯ぐきを切除し、隠れていた歯を露出させることで、改善する治療法があります。
しかしながら、ガミースマイルは、歯並びの問題、骨格的な問題等さまざまな事象が重なりあっている場合がほとんどです。
歯ぐきのみが原因であれば、歯ぐきを切開する治療の適応となりえるかもしれませんが、そのような症例はとても限られています。
ガミースマイルに悩まれている方は、ガミースマイルが歯ぐきだけの問題とは考えず、矯正歯科での相談をすることをおすすめいたします。
何よりも大切なことはガミースマイルの治療の全ての選択肢ができる施設で的確な診査・診断を行い治療をしていただくことが重要です。
ガミースマイルの治療でボトックス注射があるとききました。
ガミースマイルの原因が上唇を引き上げる力が強いことにある患者様には、ボトックス注射により一時的に状況が改善されます。しかしながら効果が切れてしまうと元に戻るため、定期的に永遠に注射を行う必要があります。
またボトックス治療は妊娠をされていたり、男女限らず妊娠の予定がある患者様は行うことができません。
あくまで対症療法となりますので、根本からガミースマイルを治療する場合は歯科矯正治療をご検討された方が、将来的なコストの面でもおすすめです。
何よりも医療は原因療法をしっかりとできる技術、提出できる施設が大切です。
ガミースマイルはそもそも何が原因ですか?
ガミースマイルの原因は1つではなく、さまざまな角度からの原因があり、またそれらの原因が重なりあっている場合もあります。大きく分けると骨格的な問題、歯の位置の問題、歯ぐきの問題、唇の問題(口輪筋など)です。
まず骨格的な問題ですが、上顎の骨が発達しすぎたためにガミースマイルとなってしまった場合です。外科的な手術が必要になることが多いです。
次に歯の位置です。こちらは上の歯が通常よりも下に下がることで(挺出している状態)、笑ったときに上の歯ぐきまで見えてしまう場合です。歯科矯正をして歯並びを整えることが可能です。最近では、裏側矯正(舌側矯正)と歯科矯正用アンカースクリュー(インプラントアンカー、矯正用ミニインプラント)を利用した治療技術が向上しています。
当院では挺出してしまった歯を上に上げる(圧下する)ために、上顎の裏側に歯科矯正用アンカースクリューを埋入し、ゴムの力で下がってしまった歯を上に引っ張り上げます。
次は歯ぐきの問題です。こちらは歯肉増殖症等、歯ぐきが発達したために、本来見えるはずだった歯が歯ぐきで覆われてしまい、笑ったときに歯ぐきが露出します。この場合は、歯を覆っている歯肉を切り取り歯と歯ぐきのバランスを整えることで改善されます。
最後に唇の問題です。唇の筋肉が発達したため、笑ったときに上唇が歯ぐきが露出してしまうほど挙上することでガミースマイルになる場合です。こちらは、ボトックス治療や口腔内の粘膜を外科的に調整する治療をしたり、唇を挙上する筋肉の正しい扱い方を習慣化する訓練(MFT)を行います。
これらの原因が単体で起こることもあれば、いくつもの原因が重なりあいガミースマイルをもたらす場合もあります。
患者様によってガミースマイルの原因は様々です。この治療をすれば治るだろうと安易に治療をするのではなく、まずは精密検査を行いご自身の原因を把握してから、慎重に治療を行うことをおすすめします。全ての治療に対応したり連携施設がある医院にて診査・診断を行うことが大切です。
吉祥寺矯正歯科クリニックは東京大学病院、慶応大学病院、慈恵医科大学病院など多くの大学病院とも連携をとっております。
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