歯科矯正用
アンカースクリュー
Micro Implant Anchorage
01 歯科矯正用アンカースクリューについて
歯科矯正用アンカースクリューを利用した裏側矯正
重度の出っ歯や受け口など難しい症状については、治療に長い時間がかかってしまったり、外科矯正に頼らざるをえませんでした。
けれども、歯科矯正用アンカースクリューの登場で歯列を大きく動かせるようになり、裏側矯正治療と組み合わせることで、より広い症状にスピーディーな治療で対応できるようになりました。
歯科矯正用アンカースクリューとは、歯科用の小さなチタン製のネジです。失った歯の代わりに導入するインプラントと矯正用のアンカースクリューは異なります。歯科矯正用アンカースクリューは矯正治療の期間だけ口腔内に設置し、歯を動かす際の支点の役割を果たします。
歯科矯正用アンカースクリューの設置場所
歯科矯正用アンカースクリューを埋め込むのは、矯正治療の際に動くことのない骨格部分です。歯を動かす際のしっかりした固定源を確保することで、歯を効果的に動かすことができるのです。
一般的な裏側矯正治療では、奥歯を固定源としていきますが、大きく動かそうとすると奥歯自体も動いてしまうため、歯の大規模な移動は簡単ではありません。そうした問題を解決するのが歯科矯正用アンカースクリューです。
電動トルクドライバーで設置
アンカースクリューの設置は電動のトルクドライバーで設置を行います。
電動のドライバーを使用することで、一定のスピードでブレずに設置が可能です。埋入する際に、スクリューが入る穴を広げず、安定した設置ができます。
02 「歯科矯正用アンカースクリュー」の治療費について
03 歯科矯正用アンカースクリューのよくあるご質問
初診料や精密検査料はどこからかかってきますか?
初診相談料は3300円(税込)となっております。カウンセラーや衛生士ではなく専門の先生による相談となります。
初診相談を受けられた後、精密検査を希望された場合に、検査・診断料として55000円(税込)の費用がかかります。
精密検査、当日にお支払いください。
ドクターチームの矯正だけではない他分野のスペシャリストとは具体的にどの分野ですか?
口腔外科、麻酔科、小児歯科、歯内療法、補綴治療の分野です。経験豊富な歯科医師が対応いたします。
小規模の大学病院といったイメージをもっていただけるとわかりやすいと思います。
医師の専門性と治療の精度・再現性を最大限引き出せるよう、必要機材を完備しております。
当日予約はできますか?
当日のご予約も承っております。診療の予約の状況によっては時間をずらしていただくこともあると思いますが、できるだけご希望に沿えるよう最善の努力を致します。特に痛みなどの症状がある場合、その旨を電話でお伝えいただければ応急処置を優先的に行います。
歯を抜くことはありますか?(抜歯矯正・非抜歯矯正)
矯正治療のために健康な歯を抜歯することを、便宜抜歯(べんぎばっし)といいます。
当院では、できるだけ歯を抜かず、なるべく多くの歯を残せるように考えて矯正治療を行います。(親知らずの抜歯のみで可能な場合があります)
しかし、歯を抜く方がメリットがある場合も多くあります。どんなにガタガタの歯並びでも、ほとんどの場合、歯を抜かずに全ての歯を並べることができます。
ただし、もともと出っ歯で(前歯が前方に突出している状態)、唇を自然に閉じることが難しい場合(口唇閉鎖不全)、歯を抜かずに矯正すると、前よりもっと口元が出たように感じたり、治療後の歯並びの安定性が得られないことがあります。
そのような場合には、歯(主に小臼歯)を抜歯して治療した方が良い結果が得られます。矯正治療で便宜抜歯が行われるのは、前歯から数えて4~5番目に生えている小臼歯が多いです。この歯が、上下の歯の噛み合わせには最も影響がない歯だとされていることから、選ばれることが多くなっています。4番目の歯と5番目の歯は似ていますが、どちらを抜くかは重要です。
まだ使える小臼歯を抜歯することに抵抗を感じられることは当然であり、歯の数は多い方が良いという観点から見れば、抜歯はデメリットかもしれません。
しかしながら、正しい矯正治療を行えば、便宜抜歯をして矯正することのメリットはデメリットを上回り、美しい口元と歯並びの長期安定性を得ることができます。顎骨の幅は変わりませんので、無理に並べることで外側に並び、歯周病リスクが上がることが懸念されます。
当院では、歯を抜くか抜かないかに関し、歯のデコボコの度合いの他、前歯の角度、口元の形、奥歯の咬み合わせの状態などを詳細に検査し、ご希望の治療目標を総合的に判断して、治療をお受けになる患者さんご本人と保護者の方との話し合いにより決定しています。
正しく矯正をすれば、抜歯した隙間はすべて埋まり、傷も残りませんのでご安心ください。また、奥歯も前歯も正しい咬み合わせの状態に治療できます。
矯正用アンカースクリュー、インプラントアンカーは矯正終了後どうしますか?
治療終了後には矯正用アンカースクリューも除去します。アンカースクリュー(インプラントアンカー)を設置した場所に痕は残りません。傷口は1週間程度で塞がってきます。
歯科矯正用アンカースクリュー(矯正用インプラント・ミニインプラント・インプラントアンカー)は安全ですか?
アンカースクリューの材質は、人工関節や人工歯根、骨折の接合に使用されるチタン合金です。 生体適合性に優れた金属で、金属アレルギーの心配もなく安心安全な生体親和性の高い素材です。 サイズは、直径約1.0~1.5㎜、長さ約6~8㎜の小さいネジです。
1%弱チタンアレルギーの患者様の報告もされております。
歯科矯正用アンカースクリュー(矯正用インプラント・ミニインプラント・インプラントアンカー)は痛いですか?
当院での施術は、経験豊富な常勤の口腔外科医が行います。少量の麻酔を使用してから行いますので、痛みはほとんどありません。埋入は約30秒ほどおわります。
当日はお薬をお出しいたします。医師の指示に従って服用してください。
埋入の当日に気をつけることはありますか?
特に大きな制限はありません。当日の飲酒や喫煙はおやめください。
通常通りのご生活で大丈夫です。
最初は違和感がありますが、すぐに慣れます。磨き残しを防ぐため、TBIも行います。
埋入(手術)した後に気をつけることはありますか?
お口の中を清潔に保つことが大切です。アンカースクリューの周りに汚れがたまると粘膜が腫れて、脱落のリスクが高まります。毎日の歯磨きとともにスクリューの周りを磨くのもとても大切です。お渡しするタフトブラシでアンカースクリューの周りの汚れをぬぐように優しく磨いてください。毎月の通院時に、腫れが無いかの確認をし、クリーニングもいたします。
歯科矯正用アンカースクリュー(インプラントアンカー)は、一度埋入したら一生そのままですか?
矯正治療の終了時、または必要が無くなり次第、専門の器具を用いて撤去します。このときの痛みは軽いです。
撤去した後の表面の穴は数日で治り全く目立たなくなります。(約1週間)
歯科矯正用アンカースクリュー(インプラントアンカー)は、いつ埋入するんですか?
アンカースクリューを埋入後、骨に定着するまで数ヶ月かかるため(オッセオインテグレーション)、力をかけたい処置の2~3ヶ月前に埋入をいたします。処置日は事前にお知らせいたします。設置場所や治療計画により個人差がありますので、ご不安のある方はご相談ください。
歯科矯正用アンカースクリュー(インプラントアンカー)は、高いですか?
自費診療になりますので、施術する医院により値段が異なります。吉祥寺矯正歯科クリニックでは、他医院や大学病院に委託せず、クリニック内で手術を行ないますので、料金設定を抑えております。
当日急用が入ってしまいました。キャンセル料はかかりますか?
予約日から1週間前までにご連絡をいただければ、キャンセル料はかかりません。予約の変更を承ります。
一方、1週間以内や予約当日にキャンセルされた患者さまと無断でキャンセルされた患者さまにつきましては、キャンセル料をいただきます。
予約状況の緩和と患者の皆さまにスムーズな治療受けていただくため、ご理解いただけますようお願いいたします。
予約の変更・キャンセルのお問い合わせにつきましては 予約日から1営業日前の17時までにメールや公式LINEにてご連絡ください。
1週間前キャンセル:3,000円(税込 3,300円)
当日キャンセル:5,000円(税込 5,500円)
無断キャンセル:10,000円(税込 11,000円)
歯に金属のワイヤーをつける治療は何年かかりますか?
ワイヤーを装着する装置はマルチブラケット装置とよばれ、最も基本となる矯正装置です。歯の表面や裏側に特殊な接着剤を用いてブラケットを装着し、そこにワイヤーを通してゴムや細い針金で固定します。このワイヤーに力を加えて歯を動かし、美しい歯並びとかみ合わせを作ります。一般的に正確な診断の下、的確な治療が予定通り行われれば治療期間(動的矯正期間)は2年半~3年ほどになります。(医院によっては2カ月や3カ月に1回しか予約が取れなければ治療期間は最大3倍になります。)
また治療が終了しても、歯の位置を安定させるためにリテーナーという着脱可能な保定装置または着脱できない装置で固定をその後1~2年装着していただきます。これを保定期間(静的矯正期間)とよびます。その後も歯にパジャマを着せるようにリテーナーの夜間装着を続け、歯のメンテナンスにも定期的に通うことで良い歯並びが長期的に維持できます。
歯並びが良いとむし歯になりにくいといわれていますが、なぜですか?
歯並びが良いと、歯の表面や歯と歯の間についた食べ物のカスや、むし歯の温床であるプラーク(歯垢)が溜まりにくくまた、清掃しやすい点があげられます。そして、歯ブラシの毛先やデンタルフロスが歯の隅々まで行き届きますし、歯と歯茎の境目も綺麗に磨けることでむし歯だけではなく歯周病の予防にもつながります。
他にも唾液が歯全体に行きわたることも理由の一つです。むし歯菌は食べ物から糖を取り込み、酸を作り出します。この酸が歯の表面のエナメル質を溶かし、むし歯の原因となりますが、唾液はこの酸を中和する作用があります。唾液の量が十分ならば、食後1時間ほどで口腔内のPHは正常に戻ります。唾液には様々な有効な成分が含まれており口腔環境を正常に保っています。
また、唾液にはカルシウムやリンなど歯を形成するミネラル分が溶け込んでおり、中和された歯の表面ではこのミネラルが結晶化し、エナメル質を補修・強化します。これを再石灰化とよび、酸によって痛みかけた歯が修復され、むし歯を防ぐことができるのです。
歯並びが良く、咀嚼が正しく十分に行われると、唾液の分泌も高まります。疾患としてシェーグレン症候群など、唾液の量が少なくなる疾患をお持ちの人や、ストレスや緊張により交感神経が有意になり唾液の性状が粘っこいタイプの人、鼻の疾患や舌癖による口呼吸を習慣とし、唾液が乾きやすい人は、歯並びが良くてもむし歯のリスクは高まるため、注意が必要です。
もしも、むし歯になっても、歯並びが良ければ早期発見がしやすく、治療も簡単です。歯並びが悪いと、歯が複雑に重なり合った部分は治療がしにくく、再発しやすくなります
痛みが少ない治療がありますか?
矯正治療による痛みは2種類あります。
1つは装置によって力が加わることで歯が動くときの痛みです。だいたいは装着した
日の夜から2~3日は歯が浮くような違和感があり、硬いものは食べにくくなります。だいたい1週間ほどで痛みや違和感は消失します。
2つ目は装置が頬や唇、舌に当たることで生じる痛みです。口内炎が生じることもありますが、これも口腔内の粘膜が装置の感覚に慣れることで解決されます。また、矯正装置にワックスやギシグーといった保護材を使用することで痛みが解消されます。また、口内炎に関しては処方薬にて改善いたします。
また痛みの少ない矯正装置として提案されているものにセルフライゲーションシステムというものがあります。これはワイヤーとブラケットをゴムや針金でしばる結紮が必要ありません。このため摩擦抵抗が少なく加える力が小さくて済み、痛みが軽減されます。欠点としては一部分が金属製のため多少目立つことと、結紮のようにしっかりと歯と矯正装置を固定できないためトルクコントロール(歯軸を整える)が弱いことが挙げられます。治療精度としては落ちます。
「歯を抜かない矯正」の方が良い方法なのでしょうか?
以前の矯正では約半数が抜歯の適応でした。しかし、インプラント矯正が導入されて大幅に改善されています。インプラント矯正治療とは、顎の適切な部分に生体親和性の高いチタン製のネジやプレートを埋め込み、それを固定源として歯やワイヤーを引っ張るため、患者様の協力なしに歯を動かせる方法です。しかし、それでも抜歯が必要なケースはあります。抜歯をせず無理に歯を並べることで歯槽骨内に歯がおさまらず、口元が突出したり、歯根みえてしまうことになるケースであれば抜歯の適応となるでしょう。
しかしながら、歯を抜かない矯正は患者様の願いであるとともに、矯正医の目標でもあります。ですが抜歯を選択しないと満足のいく治療結果が得られない場合は少なからずあります。担当医とよく話し合い、理解なさってから、最も適切な方法をご検討ください。非抜歯が正義ということはありません。正確な診断とともにメリット、デメリットをしっかり理解し治療を選択してください。
目立たない矯正治療はないのでしょうか?
一般のマルチブラケット装置でも、白や透明のプラスチックやセラミックを使用するため、以前のようには目立たなくなりました。それでも気になる方のためには、裏側からの装置(裏側矯正・舌側矯正・リンガルブラケット装置)があります。
最新型として注目されているのはインコグニトとよばれるカスタムブラケット装置(フルオーダーメイド治療)です。歯の裏側は表側に比べ歯面に複雑な凹凸があり、既成のブラケットとワイヤーの調節に難しい面がありました。インコグニトは患者様の歯型をコンピューターに取り込み、ブラケットの位置とワイヤーのカーブをセットアップするカスタムメイドの矯正装置です。
裏側からの矯正には、装置の厚みがある分、舌を置くスペースが慣れるのに時間がかかる、装置を装着してから1ヵ月くらいはしゃべりづらい、口腔内清掃が表側よりも難しいなどの欠点がありましたが、インコグニトは薄くフラットなデザインのため患者様にとって快適になりました。また、裏側に装置があることで舌癖の改善もできるようになりました。
裏側からの矯正は費用も高く、歯科医師の技術の差が出やすい治療のため、希望する場合はリンガル矯正の経験が豊富な医療機関を訪ねてください。日本人は目立たない治療に強くこだわりがありますが、欧米では歯の健康管理である表からの矯正はむしろステータスシンボルです。矯正装置はご自身の症例に応じて最良のタイプを選択することが大切です。
「床矯正」でどこまで歯並びは良くなりますか?
おそらく歯を裏側から押して歯列の乱れを治す着脱式の装置のことかと思われますが 効果は限局的で大まかな調整しかできないため永久歯の本格的な矯正治療には不向きです。歯列矯正の目的は単に見かけを綺麗にするのではなく、かみ合わせを正し、咀嚼機能を最大限に引き出すことです。そのためには歯の位置・角度・向きを三次元的に整え、計算された装置が求められます。マルチブラケット装置などの治療が結果的には確実性が高く、早道です。同様に美容歯科等で施術する「みかけの矯正」にも注意が必要です。歯根の位置は治療前と変わらないままのため仕上がりに不満が残り矯正歯科に来院される方もいます。被せ物などの治療した歯は矯正装置を接着しても外れやすく、矯正治療がスムーズに進みにくいです。確かにみかけの矯正は、治療期間が短期でありことが利点かもしれませんが、その後に歯科矯正を検討することも視野に入れて検討することをお勧めします。小児矯正で多く用いられるカモフラージュ治療のため再矯正を行わなければならない患者様が増加しているのも問題です。通常の異常な歯並びとは違う意図的に異常にされているため再治療の難易度もあがるため外科手術が逆に必要となってしまう患者様もいます。
引っ越し先でも治療を続けたいのですが、どうすればいいでしょうか?
医療機関同士のネットワークで、引っ越し先の矯正歯科医院や大学病院を紹介してくれる場合があります。もしも不安であれば、日本矯正歯科学会のホームページで調べてみてください。しかしながら、引っ越し先からであっても遠方から通われる患者様はいらっしゃいます。医師によって方針や装置が全く同じとはいえないため、転院により治療が長引いたり費用が追加でかかる場合もあります。頻繁な通院ではありませんので、遠方からの通院もご検討いただけたら幸いです。
矯正は年齢によって治療期間が変わるのでしょうか?
大人の患者さまの治療期間は、矯正の方法・お口の状態により個人差はありますが、おおよそ1~3年です。
大規模の統計データや論文などでは、年齢による治療期間の差は示されてはおりません。
ご高齢のため、治療期間が長くなるといったことはありません。
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