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オープンバイト(開咬)の原因と悪影響

2023.04.03

矯正コラム

オープンバイト

口元のお悩みをお持ちの方の中には、出っ歯(上顎前突)や受け口(下顎前突、しゃくれ)・でこぼこの歯(叢生、ガタガタ歯並び)・口ゴボ(上下顎前突、顎の梅干し)・ガミースマイルなど、よく見られる症状の方の他に、一般的に知られていない不正咬合の症状でお悩みの方もいらっしゃいます。

そんな不正咬合の1つに「開咬」が、あります。開咬とは、奥歯をかみ合わせた時に前歯がかみあわず、隙間が空いている歯並びのことです。歯の間から舌が見えるのが特徴的です。「オープンバイト」ともいいます。
開咬は、本人や親御様にとって気づきにくい歯並びのため、歯科検診やかかりつけ歯科医に指摘されて初めて気づくことが多い不正咬合です。また、経過観察などで大きくなってからなどと言われてしまうことも少なくありません。
放置してしまうと様々なトラブルが起きる可能性があります。

今回は、開咬の原因、開咬が及ぼす悪影響などを詳しくご紹介します。

開咬の原因

口 開いている

小さい頃の「指しゃぶり」や舌を出す癖「舌癖(ぜつへき)」などが原因となります。
通常、私たちは意識せずに1日に2000回ほど飲み込み(嚥下)をしています。舌を前に出す舌癖があると、前歯を押す舌の力は普通の人の約3倍になり、上下の前歯の間に隙間をつくってしまうのです。

また、遺伝等で骨格的に問題があり、下顎の成長方向が悪い人は開咬になりやすい傾向があります。

あまりよく咬まないで食べる習慣がある患者さんもかむ力が弱くなるため徐々に開咬になってきます。
これにより、開咬の患者さんは咬筋が通常より痩せている傾向があり、顔立ちは顎がすっきりとしていて面長であることが多くみられます。
前歯部が上下に開いているために口が閉じにくく、口を閉じるとオトガイに梅干しシワができるのも特徴です。
開咬になる前に口がポカンとしてしまうなど口が開いたままのお子さまは是非、ご相談に来てくださればと思います。

開咬が及ぼす悪影響

①咀嚼がうまくできない

咀嚼

力を入れて口を閉じても、歯と歯の間が空いているため、上手く食べ物をかみ切ることができない状態となり、丸飲みにより胃腸への負担が大きくなります。ラーメンなど麺類をかみ切ることができず、舌をつかって食べている場合もあります。硬いものが前歯でかじって食べられず、お食事にかかる時間も長くなってしまいます。

お食事の時間が極端に早かったり遅い場合は要注意かもしれません。

②口呼吸になる

口呼吸

上下の歯に隙間があるために口が閉じづらく、常に口が開いている状態となるため、気づかないうちに口呼吸をしていることも多くなります。口呼吸の頻度が高くなると口腔内が乾燥しやすくなり、菌の繁殖を促進させることにつながります。口腔内の乾燥は風邪や歯周病、口臭を引き起こす原因になります。もちろんアレルギーが増悪したりウイルス感染もしやすくなります。

③滑舌が悪く発音しにくい

滑舌

前歯に隙間があるために、発音に影響が出やすく、舌たらずなしゃべり方になってしまいます。
特に、サ行などの歯をすり合わせ息を飛ばすように出す音や、タ行のような舌先を上顎に密着させ、上顎から舌先を離すことで生まれる破裂音などが苦手な方が多いです。
音読の授業などで指摘されたりトラウマになってしまうお子さまも少なくありません。

また滑舌はご職業によっては重要な問題です。アナウンサーを目指している大学生の方や現役のCAさんなども裏側矯正とともにMFT訓練を平行して治療していく患者様も多くいらっしゃいます。
就職する前はもちろん、就職してからも無理なく目立たずに治療ができるのも吉祥寺矯正歯科クリニックならではのフルリンガル矯正(舌側矯正・裏側矯正)かと思います。

④奥歯に負担がかかり、歯を失うリスクを高める

奥歯 負荷

一見すると、そこまで見た目に大きな影響を与えない「開咬」ですが、実は将来的に歯を失う確率が高い歯並びとも言われています。

前歯のかみ合わせが悪いことで、奥歯に過剰な負荷がかかることになります。その過度な力が長期間かかり続けると、歯の劣化を早めることになり、歯を失うリスクが高まります。
歯は長い年月をかけ、徐々に劣化していくため、治療が困難な状態になるまで気づかない方も多く、最終的には歯が割れてしまうなどして、抜歯になってしまうことも少なくありません。

オープンバイト(開咬)のまとめ

開咬は、放っておくと舌癖などによって歯並びや顎の骨にまで影響を与え、矯正治療が難しくなる歯並びです。

年齢や症状によって治す方法が異なります。
誤嚥性肺炎など将来の死因のリスクを下げるためにも舌の訓練は大切です。

幼少期での治療では、「フェンス」とよばれる舌が前に出ない装置を使用することが可能です。
舌癖のある患者さんには、改善のため「MFT(口腔筋機能療法)」を取り入れた治療を行っております。
上顎の大臼歯を圧下するために、歯科矯正用アンカースクリュー(インプラントアンカー、ミニインプラント)を併用した治療も効果的です。
矯正治療は口腔周囲筋、表情筋のトレーニングや外科処置など多くの専門的な治療を総合的にする必要があります。大学病院のようなまた、アメリカの専門機関のような専門医の集団のチーム医療だと言えます。

「前歯でものが噛めない」「いつも口があいてしまう」「滑舌が悪く、舌足らず」「奥歯がどんどんだめになっていく」…などのお悩みをお持ちの方、是非一度、吉祥寺矯正歯科クリニックへ相談にいらしてください。

鈴木美穂

この記事を書いた人

吉祥寺矯正歯科クリニック 院長

鈴木 美穂

日本歯科大学 生命歯学部卒業。日本歯科大学附属病院 歯科医師臨床研修においてポートフォリオ賞を受賞。
日本歯科大学矯正歯科 勤務後、広瀬矯正歯科に副院長(最終役職)として勤務。2021年より矯正歯科治療専門の吉祥寺矯正歯科クリニックを開業。
日本矯正歯科学会 認定医 取得。日本大学大学院 歯学研究科 博士課程 修了 博士(歯学)。

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